Hollow Point Ammunition
ホローポイントとは、先端を凹ませ着弾時に潰れて広がり(マッシュルーミング現象を起こし)易くした弾丸のことで、狙った対象内でのエネルギー消化を上げ、貫通や跳弾により他へ被害が及ぶ可能性を下げる効果を持つ。
種類は豊富にあるが、ここではその中から「ハイテクブレット」ともいわれる弾薬の一部を紹介する。
写真:Hollow Point Bullet
【ハイドラショック】
弾丸の凹み中央に突起(センターポスト)を設ける事で、着弾後の推進力と拡張力を両立させている。
写真:Hydra Shok Bullet
【ゴールデンセイバー】
弾丸先端の切れ込みを深く螺旋状にすることで、より広がり易くしている。
写真:Golden Saber Bullet
【ブラックタロン】
黒色にコーティング(ルバロックス)された被甲は凹みの内側まで及び、着弾時に外側へかぎ爪の様に広がる。
写真:Black Talon Bullet
【ガードドッグ】
弾頭形状はフラットポイントになるが、被甲に切れ込みを入れ弾芯にポリマー樹脂を使用する事により、着弾時にはホローポイントよりも素早く潰れ拡張する。
写真:Guard Dog Bullet
【R.I.P.】
弾丸の材質に鉛ではなく銅を使用し、着弾後は切れ込みから分かれ複数の刃となり拡散する。
写真:Radically Invasive Projectile Bullet
現代と役割こそ異なるが、弾頭を凹ませること自体は昔からあり、古くは先込め式銃までさかのぼる。次の写真は1800年代後期に使用された元込め式のスナイダーエンフィールド銃の弾丸だ。
ミニエー弾と同様に大きく凹んだ底面により前寄りになった重心を、先端も凹ませることで後退させ飛翔を安定させた。凹みに埋め込まれていたであろう木材は、地中から採掘した時点で原型はなかった。
写真:Snider Enfield Rifle Bullet
※記事で使用している弾丸は全て海外で試射及び採掘されたものであり、写真内には火薬などの危険物は一切含まれておりません。
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