How to Make Homemade Ballistic Gelatin
対象に命中した弾丸がどのように働くのか、それを見るために用いられるゼラチン(動物性たんぱく質)のブロックが「弾道ゼラチン(バリスティックゲル)」だ。
今回は、実銃に触れることの無い人でも検証実験が楽しめるよう、エアソフトガン向け弾道ゼラチンの作り方を記事にした。
写真:Ballistic Gelatin for Airsoft Gun BBs
レシピは実に簡単。プラスチック製の耐熱容器に、製菓用の粉ゼラチンを、沸騰しない程度(80度くらい)のお湯と混ぜて溶かし、粗熱がとれたら冷蔵庫で冷やし固めれば完成。
ゼラチンの硬度となる混ぜる割合は、お湯100mlに対して粉5g(※以降5%とも表記)が目安。その理由は、2社の粉ゼラチンを使った以下の実験から読み取ってほしい。
写真:2社の粉ゼラチンとプラスチック製の耐熱容器
耐熱容器にお湯250mlを注ぎ、A社の「ゼラチンパウダー」を5g、10g、15g、30gと、M社の「クックゼラチン」10g、20gをそれぞれ混ぜて固めた。これら6つを容器から取り出し、エアソフトガンで射撃を行う。
※A社30gの表面が波打っているのは、固まる最中で筆者が容器に触れたためです。
写真:6パターンで固めたゼラチンの色味比較
使用するBB弾の重量は0.20g、平均初速は75m/s、ゼラチンまでの距離は凡そ10cm。まずは両10g(4%)を比較しよう。次の写真左がA社製で撃ち込んだBB弾は5cmまで侵入し、右のM社製は4cmに留まった。
4%だと硬度はやや硬めのゼリー状くらいで優しく扱う必要があるが、弾道や発生した空隙を観るには向く。透明度の高いA社製に比べてM社製は寒天の様な若干の白濁があり、硬度はやや硬めに出来る。
写真:左側がA社製10gで右側がM社製10g
他の4パターンは次の写真。5g(2%)は食用ゼリーの硬度のため軟らかく、容器から取り出す際に崩れてしまった。A社製15g(6%)でBB弾が侵入した距離は3.5cm、30g(12%)では2.5cm、M社製はやはり硬めで、20g(8%)でも2.0cmという結果に。
6%以上になると侵入距離こそ短くなってくるが形崩れしにくく扱い易い。A社製の透明度は実弾向け硬度の12%でも高く保たれており、底に向けた表面の波打ちまでハッキリと見えている。
写真:A社製3パターンとM社製20gの比較
また、こうしてエアソフトガンの威力にゼラチンの硬度を合わせることで、実銃の検証と同様に「一過性空隙(瞬間空洞)」の発生も観察することができる。
次の写真は、A社製の10g(4%)に同条件で5発撃ち込んだもの。着弾した瞬間にゼラチンを大きく押し広げ、即座に収縮して空隙(永久空洞)が銃創として残る。撮影は動画で行い、コマ送りにすれば確認が楽だ。
写真:一過性空隙(瞬間空洞)が発生する様子
M社の「クックゼラチン」はスーパーなど多くのお店で販売しており入手に困ることがなく、箱の中は5gずつの小袋で分けられお湯にも溶け易いと、とにかく使い勝手が良い。
しかし、より透明度を求めるならばA社の「ゼラチンパウダー」がお奨め。耐熱容器と共に100円均一ショップのCさんで買うことができた。もちろん粉ゼラチンは他にも多種あり、インターネットでも購入できる。
写真:A社製15g(6%)を使い撮影した写真
複数回の実験を行いたい場合も沢山用意する必要は無い。BB弾などの異物を取り除いたら耐熱容器に入れ、電子レンジで加熱して液体に戻し、冷やせば再利用が可能だ。
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